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本法寺:大涅槃図開帳

懸賞 2014年 03月 17日 懸賞

本法寺:大涅槃図開帳_b0006423_1625025.jpg本法寺で公開されているのは、
安土桃山時代に活躍した絵師、長谷川等伯が描いた巨大な仏涅槃図です。
京都三大涅槃図の一つです。これがすばらしい!
縦10m.横6m.と、東福寺の涅槃図よりは小さいのですが、流石は等伯、筆のタッチが、色使いが違います。
26歳の若さの息子を亡くした悲しみから、等伯は供養の意味もこめて息子の七回忌にあわせて弟子たちとともに完成させ、当時親交のあったこの本法寺へ奉納しました。
見上げるほどの大きな絵は、藤田嗣治の「秋田の行事」のように2階のバルコニーからも眺めることができるので、下のほうで悲しむ動物達だけでなく、入滅する仏陀の周りも近くで見ることができます。
あまりにも大きすぎて、以前は常に掛けていたもののあまりの重さに何度も落ちるので、そのたびに絵が損傷してはいけないと箱に入れてしまうことにしたそうです。実はこのお寺は以前火事にあってるのですが、このような事情からこの大きな涅槃図は蔵にしまってありましたので、無事だったというわけ。……この素晴らしいものが焼失しなくてよかった!

本法寺:大涅槃図開帳_b0006423_1625095.jpg涅槃図にはいくつかのきまりごとがありますが、この等伯の涅槃図はとても分かりやすい。
四枯四栄の沙羅双樹、
悲しみのあまりに気を失うアーナンダ、
それを水をかけて介抱するアナリツさん、
悲しみの血の涙を流す老婆、
木に引っかかった、お釈迦様の母、摩耶夫人が投げた薬。(投薬、というのはここからきているんだそう)
そしておもしろいのは、当時南蛮人が飼っていたというコリー犬を描き、
猫を描き、そしてなんと、沙羅双樹の木のところに等伯自身を描いている。
西洋の絵画ではよく自分も絵の中に描いちゃう画家がいるけど、(ナポレオンの戴冠式とか、エル・グレコとか?)日本にもその文化、あったのか・・・・。
等伯の涅槃図、いままで数々見た涅槃図のなかで、現在トップです。
三大涅槃図、本法寺、東福寺ときて、残すは大徳寺ですが、それはあとあとのお楽しみってことで。

~おまけ~
涅槃図には必ず悲しむ動物のなかに、極楽浄土に住む頭が人間で身体が鳥という迦陵頻伽(かりょうびんが)がいますが、
東福寺の三門の天井にもいました。明兆さんが描いたものですね。
・・・・・今ちょうど読んでた「ナイチンゲールの沈黙」にその迦陵頻伽がでてきたときのその驚きったらアナタ・・・。人生で初めてかりょうびんがってものに出くわしたのに、わずか2日で次々と目の前に現れる・・・シンクロニシティかな・・・・・

by mi_yu_ka_5 | 2014-03-17 23:25 |

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